バス・トラック・タクシーのためのホワイトな経営<前編>

働き方改革してますかー?今回のブログ担当の井上です。働き方改革の波は、当たり前のように自動車運送事業者にも押し寄せています。おそらく、このブログをご覧になっている方は運輸運送事業者の方が多いと思いますが、働き方改革しようにもそもそも「ドライバーがいない!」から話が始まります。ドライバー確保するために、バス・トラック・タクシーの企業の方は様々な努力をしています。

もしかすると、ドライバー確保の助力になるかもしれない制度の検討が始まっています。それが国土交通省の方で行われている「自動車運送事業者のためのホワイト経営の「見える化」検討会」です。今回は、その辺のお話をしていこうと思います。

 

目次
1)色々あるけど、改善基準告示から
2)まぁ、ドライバーが足りないわけで
3)ホワイト経営認証改め「運転者職場環境良好度認証制度」

 

1)色々あるけど、改善基準告示から

川井のブログで「働き方改革はじまります」の中に労働基準法のお話があったと思いますが、バス・トラック・タクシーにはさらに改善基準告示というものがあります。これ何かというと、厚生労働省が告示したドライバーの労働環境改善のための内容で大雑把にいうと、

「運送業って拘束時間が長いから、厳しく制限するので守ってね」

ということです。この辺はバス・トラック・タクシーで少しずつ内容が異なるので、当社の主なお客様であるトラックに絞って要点を記載します。

 

①拘束時間1ヶ月293時間を超えない
②1日の拘束時間は13時間
③休息期間は1日の継続8時間以上
④運転時間
      1)2日を平均し1日当たり9時間を超えない
  2)2週間を平均し1週間当たり44時間を超えない
    3)連続運転時間4時間を超えない

 

勿論、これ以外にもルールはあるんですが、端的に書くとこうなります。考え方的には、中長距離をメインとしている運送会社が内容的に直撃しやすい傾向にあります。1回出ると中々戻ってこない長距離の場合はこの他にも運行指示書が必要だったり、6日間以内には会社に戻ってこないといけない・・・など、いろいろと制約があります。でも、改善基準告示の内容を真剣に読み解くと、「拘束時間を守る」を徹底すると、実は他の項目も大体守ることができる仕組みになっています。連続運転時間は意識していないとちょっと危ないかもしれませんが・・・。

 

こんな内容がかかれているのが改善基準告示で自動車運送事業者は大分以前から働き方改革」させられています。この内容は守って当たり前が前提であって、守らなければそれなりの罰が待っています。例えば、違反内容が悪質だと、一般貨物自動車運送事業の事業停止(30日間)などの行政処分が待っています。これ、会社によってはこの処分が下った時点で倒産なんてことも考えられます。

 

運輸運送業界に身を置いている私でも、改善基準告示はルールが複雑なので暫く間が空くと忘れてしまって、また改善基準告示を読み直す…なんてことをしています。運輸運送業の経営者の方はこんな複雑な仕組みを把握して、運行管理者やドライバーが守れるように教育指導しているのかと思うと、・・・心中お察しいたします

そんな経営者、運行管理者の方に朗報(だと思う)ですが、最近になって、厚生労働省のホームページに面白い情報が載っていました。こちらです。

自動車運転者に対する教育・研修用ツール及びツールを用いた改善基準告示等の周知・啓発(厚生労働省委託事業)

これダウンロードすると、中身はエクセルになっていて、マクロが組まれた帳票ソフトのようになっています。日報入力画面で、始業から終業までの運行内容を手入力で時間を入れていくと帳票が出来上がるという仕組みです。3日間運行したパターンで日報を作成してみましたが、もう少し真面目に入力をしないとちゃんとした帳票がでないようなので、日報入力画面と、どんな帳票が出力できるのか帳票一覧画面だけ掲載しておきます。こういった労務管理にお困りの運送業様は是非、一度ご確認ください。ちゃんと、バス用、タクシー用もございます。

この帳票ソフトを利用して労務管理の運用するというのも手かもしれませんが、もっとシステマティックに管理したいのであれば、当社の主力製品のトラックメイトPro3」、「トラックメイト配車Proの有償オプションで「簡易労務管理オプション」というものがあります。このオプションは、拘束時間の管理に特化した仕組みになっており、例えば配車Proを利用して配車予定を組むと、過去の労務実績を元に拘束時間超過をしていないか算出し、お知らせしてくれる機能を有しています。因みにこんな感じです。

配車Pro簡易労務管理オプション警告画面

 

 

勿論、この機能を利用すること日単位/月単位での労務集計表や労務明細書をを帳票として出力することもできます。サンプルで労務明細書を載せておきます。

当社の製品をお使いの皆様、これからご検討されるお客様は、有償オプションになりますが是非こちらも併せてご検討ください

 

2)まぁ、ドライバーが足りないわけで

このようにドライバーの労働環境改善は着々と進んでいるのですが、そもそもドライバーになりたがる若者が年々減っているのです。以下は警察庁の「運転免許統計平成30年版」のデータを利用して作成したグラフです。このグラフは単純に運転免許証を持っている人数を年齢別にグラフ化したもので赤枠の部分が16~34歳迄の免許証取得者になります。ご覧の通りドライバー以前に運転免許証を取得しない若者が年々増えているのです。

 

実はこの問題はかなり深刻で、現在バス、トラック、タクシーのドライバーの平均年齢は50歳を超えており、日本のインフラを担う大事な仕事にも関わらず人材が集まらない状況になりつつあるのです。

 

この影響がわかりやすく出てきたのが、バス業界です。昨今、路線バスの便数が減りつつあるのです。

しかも、ドル箱路線を抱える、「東京」、「神奈川」、「京都」、「広島」、「大阪」、「福岡」の主要都市で便数が減っています

 

理由はご明察の通り、「ドライバーがいないから」です。

 

・・・すると何が起きるって、

 

猫も杓子も「運輸運送業のための人材確保セミナー」や「ドライバーに特化した求人サイト」の紹介など…。この業界に長く身を置いている当方ですら、少々辟易するくらい同じ話を聞いています。キーワードもある程度決まっていて、

①ホームページがあること

②家族対策をすること

③求人サイトをうまく活用すること

④もはや①②③は当たり前なので、独自路線の内容を打ち出すこと

 

私でもセミナーできそうなくらい「人材確保」の話を繰り返し聞いているわけですが、そのくらい運輸運送業界では人材確保に困っているということなのです。

 

3)ホワイト経営認証改め「運転者職場環境良好度認証制度」

ということで話が元に戻しますが、そんな状況を打破すべく、国土交通省の自動車運送事業のホワイト経営の「見える化」検討会というものが始まっています。折角、労働基準法を遵守し、改善基準告示も遵守し、ドライバーに運転免許証の取得を補助し、様々な労働環境改善を積極的に行っている自動車運送事業者に、求職者が安心して働くことができる職場であることを伝える方法はないか?ということで始まったのが自動車運送業のホワイト経営認証制度なわけです。

ちゃくちゃくと検討は進み、正式な名称も先日決まりました。その名も

 

ホワイト経営経営改め「運転者職場環境良好度認証制度」という名前で決定しました。

 

…ネーミングセンスは兎も角、良い取り組みだと思います。これどういった評価制度なのか・・・といったところは次回後編でお話したいと思います。
前置きが長くなりすぎて、根幹の部分がまさかの後編になってしまいました・・・。

 

後編はこちらから
バス・トラック・タクシーのためのホワイトな経営<後編>|タイガーブログ

 

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